天地は不仁なり

地震と津波が大きな教訓を得たように思う。一つは日本人にとっては極当たり前と思われた秩序の良さが、諸外国の評価を得て改めて我々の強みであった、ということがわかったということと、もう一つは日本のトップクラスというのは、いつの時代も危機に弱いということである。自民党など野党は菅政権を批判していますが、同時に自らが政権を担ぅていなかたとことでホッとしているのではないでしょうか。
福島原発については、初期の対処対策に大きな誤りがありました。これに関して私も色々と周りの人達から識者の意見というものを教えてもらいましたが、想定外というような言い方は無責任なものでしかないようです。

 東電の発表が、デタラメなのも、情報を隠しながらチョビリチョウビリ、小出しにしているというようなことではなく、常日頃からの危機に対する備えがなく、本当に何も知らなかったからではないかと思います。
 また週刊誌や新聞などのマスコミの報道など(事故が起きてから熱心に週刊誌も買っています)を見ていましても、問題に確信を深く掘り下げたものはなく、情緒的に表面をなぞっているだけのものが多いようです。
東電は、原発の無謬性を信じ、あるいは根拠のない楽観から、非常時の対処対策は何もしてこなかったのです。
 しかも福島原発は、耐用期間の切れたものでした。明らかにはされていませんが、私は左翼勢力が、この原発の新規建設を拒んだのかも知れないと想像しています。
その例として、沖縄の辺野古周辺は、米軍が基地を置いた時点では、原野でした。その後、人が集まり町ができたのです。保守勢力はその街中にある、学校を安全性の高い場所に移設しょうしたところ、これに反対を唱えたのは左翼勢力でした。その結果辺野古の学校は未だに移転できていないそうです。左翼は米軍が学校で事故を起こすことを期待しているのです。
 左翼というのは人権をいいますが、彼らの云う人権は自らの勢力伸長の為のみの、卑しいものでしかありません。

またアメリカは友達作戦で、しっかりと日本を応援してくれているように見えますが、果たしてそうなのでしょうか。フランスや中国、それにロシアはこの地震と原発の災害に関して、表面は日本に同情的でかつ協調的な振る舞いをしてくれているようです。
しかしフランスは自らの原発制御技術が優れていることを世界にアピールすることで、原発市場を狙い、同時に自国での原発反対派を押さえようとしています。中国やロシアも一方で日本を援助するような顔をしながら、他方では日本の領海、領空を侵犯しています。
 福島原発はGEの製品です。アメリカはこの事故が大きくなれば、やがては不満の行き先がアメリカに向くかも知れないことを警戒しているのかも分かりませんし、またこの日本の不幸を奇貨として更に日本に対するプレデンスを高めるつもりかも知れません。
 アメリカは長崎と広島に原爆を落としました。その人体への影響度については、直ぐに現地に入り、調べ上げ、データーとして持っています。アメリカは原爆の影響を日本人の人体で実験したのです。
 アメリカが日本に市場の開放を求め、規制の緩和をさせ、自由競争をするように仕向けました。その結果、日本は第二次世界大戦に次いで、最近のアメリカの巧妙を極めた経済戦争に負けたのです。日本の出入国管理をしているのは今やアメリカですし、国土地理院の地図を印刷しているのは中国です。
 今回も、友達作戦とはいいながら、当然原発の事故時における記録を欲して入るに違いありません。しかしこのことは、今、世界が原発を必要としているのですから、そのデーターが世界で共有され、その安全に寄与するのであれば、いいことです。
 またアメリカを恨んだところで、世界は弱肉強食が当たり前で、どの国も自国の利益を最大限に護ろうとしますから、自己主張をしたければ武力と知恵を持たない日本が悪いということにしかなりません。
 このようなことを今更嘆いてもしょうがありません。暫くはアメリカの作戦に乗ったふりをしながら、力を借りなければならないのは悔しいことですが事実です。 

今回の震災では、相互扶助の精神こそが、日本人の宝であることが良く理解できました。
日本が危機に対してどのような協調性・能力を発揮したかの話は、安政元年の稲村の火の話、明治23年にトルコの軍艦エルトールル号の乗組人を串本の漁民が助けた話など、多く残されています。
今回の東北での地震と津波においても、その能力は大いに発揮されました。こうした徳性こそ、日本人の大いなる遺産であろうかと思います。

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