41業績管理(3)モチベーション

企業が利益を出せるかどうかは社員のモチベーション次第です。

その社員のモチベーションの高め方ですが、前回示したこと以外に、社内環境を整えるのも是非必要な要素です。

社内環境というのは社員が休憩するのに必要な場所はあるか、あるとしても椅子やテーブルの配置は適正か、騒音は遮断されているのか、観賞用の植物を置いているのか、喫煙はできるのか、というようなことです。

人が続かないと嘆く前に、このような環境整備ということを考えなければなりません。

また作業工程の管理や改善ということでは、自由に発言ができる雰囲気がなければなりません。

自由に発言ができることで、色々なアイデアや工夫が生まれてきます。環境を整備することで自立的に工夫しながら働く社員を増やせば、社員の側にも仕事に対する達成感が沸いてきます。

そうなればしめたものです。

社員が自律的に働いてくれるようになれば、仕事は現場に任せておけば良い訳で、その部門の長がすべきことは、現場で起きる例外事項の統合・調整が役割になります。
そしてその役割こそが本来の部門長の仕事なのです。
ここはとても大事な点です。中小企業の生産現場というのは、中間管理職が、先頭に立って現場作業に没頭し、本来の業務である統合・調整ができないために、仕事の段取りが上手くいかずに、納期が遅れたり、品質のミスとなって現われたりするのです。

もう一つ大事なことですが、今生産している製品なり部品なりが、どのようなところで社会の役に立ち、あるいは最終製品のどの部分に組み込まれているかを、作業員に懇切丁寧に教えなければなりません。

つまり作業の意味と目的を周知するのです。
それは言葉を変えれば、作業の社会的重要度を認知してもらうことに他なりません。

つまり使命感の醸成をすることでモチベーションを高めるのです。町工場で働く人達の顔色が明るく生き生きとした目をしていれば、その会社は経営者の配慮が正しく、そして利益が出ていることに間違いがないということを肝に命じましょう。