40業精管理(2)モチベション

 前回書きましたように、日本と日本を取巻く環境は大きく変わりつつあります。

 日本のいいところは、物造りの環境が安定していて、お互いが信用・信頼で結ばれているということです。
 同時にインフラストラクチャーが整備していて、サプライヤーチエーンもしっかりしています。

 現在の解決すべき問題は、デフレの是正と、消費税も正しく転嫁できる工夫は是非しなければいけないところです。
 さて、本題に入ります。

 中小企業に共通しているのは、管理が弱い、ということです。例えば原価管理の側面を分析したとき、これを「統合」的に見ていく、ということと、「分化」的に見ていくという、一見矛盾した手法を同時に行うことが必要です。

 統合的の見るというのは、規則や手続きなどの職務規定を書面化し、あるいは組織階層の組織図を作って管理をするということであり、分化というのは事業部制を敷き、あるいは購買・生産・販売などの部門を作ることで、企業の機能性と透明性を高めるということなのです。

 しかし、組織を構築するだけでは機能しません。
 組織を動かすのは人であり、人の教育・技術訓練には多くの時間を割かねばなりません。

 難しいのは教育し訓練をすれば人は動くのか、ということです。

 今や日本人は著しい文明の利器に取り囲まれて暮らしており、それらの利器はスイッチ一つで動くものですから、人も簡単に動くものと考えてしまっています。
 こうした誤解は経営者にも、職業を求めている若者にも共通してあるのです。

 またメディアは楽と得ばかりの効能を有する商品を喧伝しますし、若い人も、それが当然と思っています。

 誰もが苦しいことや、汚れる仕事には就きたがりません。

 そこで最初の課題ですが、このような傾向を打破するためには、モチベーションが必要です。人というのは、心のどこかで社会や人の役に立ちたいと考えています。

 これは人間が本質的に持っているモチベーションです。そこに経営理念を浸透させて、企業の社会的役割を浸透させます。

 また与える目標は達成可能なものでなければなりません。
 高すぎる目標はやる気を殺ぎますし、低すぎる目標は、いつでもできると考えて、やろうとはしません。

 内的誘引の方法として、報酬や昇進が大事なことはいうまでもないですね。

 これらは、すべて社員のやる気を高めるために、プログラムとして実施しなければならないのです。