経営危機を乗り切ろう
1製造業を直撃した経済ショック
昨年来の景気下降は製造業をも直撃しました。製造業は人件費を初めとした固定費の比率が高く、売上がピーク時の50%以下ともなれば、損益も資金収支も極端に悪化します。資金繰りの大半を銀行融資で賄うとして、その状態が半年も続いた場合、その後に売上が正常な状態に回復回しても、今度は借入金とその金利の返済に追われることになり、長期に渡って企業財務に問題を抱えることになるものと思います。
最近、製造業でそれなりに歴史を持った会社経営者からの資金繰りについて相談を受ける機会がいくつかありました。話を聴きますと共通点として業績の好い時に蓄積が出来ていないのです。業績の下降を想定せず、税金は払いたくない、という思いから散財をしてしまい、財務管理を正して自己資本を厚くするという経営を怠った結果なのです。
また業績が良いときは金融機関も積極的に融資をしてくれますから、そのお金も散財してしまえば、今日のような不況の時期なれば借金だけが残ってその返済に苦しむことになります。100円のお金を散財すれば、その部分の税金は免れるかもしれません。その100円を使わずに残せば、税率が40%として60円のお金が手許に残ることになります。
ただ歴史を重ねた会社というのは、現状況下では資金繰りは大変でも、提供をしている商品や経営センスでは優れたノウハウを持っていると思われます。そうした会社はやはり生き残ってもらわねばなりません。そして社会的使命を自覚し、全うしなければなりません。
2外的状況がすべてではない
良い悪いは別にして企業にはその企業特有の容貌というものがあります。中小の企業において、その容貌というのは、大体が経営者から出たものです。また人というのは、その組織の内外において行動をパターン化しあるいは、ある種のイメージを売っているものです。
経営者のイメージは社員諸氏に影響を与えます。社員諸氏はその経営者のイメージを風圧と受け止めて積極的にせよ、あるいは消極的にせよそれを承認し、組織内において行動を律する下地にもしています。この経営者のイメージが企業全体の容貌となって企業経営に大きな影響を与えているものです。
悪い容貌を改めるなら、まず社長か率先しなければなりません。実はこれが難儀なのです。例えば、経営者の皆様で自ら進んで社員諸氏に朝の挨拶をしている方はいらっしゃるでしょうか。ある朝突然、パートさんにニコニコ笑いながら「おはよう」と挨拶をするのは自らの威厳と権威にかけても死ぬほど恥ずかしい、と思っている経営者というのは結構いらっしゃるのではないでしょうか。人は、家族の前で演出する自分と、会社組織の中で演出する自分とを使い分けています。人間は社会的動物ですから、社会の中で安定を保つためにその属する社会ごとで自らの演出の仕方に一定の許容範囲を与え、その枠を超えないように振舞うということは、無意識のうちにやっていることです。もしそれが悪い演出であるなら、変えるに越したことはありません。組織を変える、それは社長まずあなたが率先すべき課題なのです。
3不況は過去の惰性を命がけで質す好機
不況で命がなくなることはないと思いませんが、破産をすれば住まいを失い、家族を路頭に迷わし、自らは物乞いに身を落とすかも知れないという恐怖を味わうことになります。そうした恐怖心の上に立って、まずこれまでの生き様を積極的に反省することです。
この不況が海の向こうからやって来たと考えたのでは、仮に今回の金融危機を無事乗り越えたとして、企業の体質を変えることはできません。いずれ同じ過ちを繰りかえすことになります。すなわち業績が回復すれば、また度はずれた節税と散財に走るということです。それでどのような状況下でも耐えうる強靭な事業体質を作り出すことはできません。
企業の体質を変えるということは経営者の考え方を徹底的に変えるということです。このときに何が必要か。まず紙と鉛筆が必要です。人は言葉で考えます。頭の中で過去を反芻するだけでも反省はできるなどと思わないで下さい。頭の中で考えただけの反省などは単なる妄想に過ぎません。
これまで会社経営をする上でどのような過ちを犯したかを書き出してみましょう。思いつくままその全部を書き出します。そして毎日それを眺めて二度とそのような間違いはすまいと誓うのです。次に100年に1度といわれるような大不況がきたということに積極的に肯定し感謝します。この不況を怨んではなりません。そうです、この大不況は外から来たものではなく内から招いたものなのです。そうした猛反省と現環境下への積極的肯定なくして事業の再起はできません。
4社長一人でこの不況を乗り切れるか
この期に及んで誰彼なし人に頼ろうとはしないことです。あなたの友人は、今あなたから離れたがっているかも知れません。あるいはお金の無心をされるのではないかと内心ビクビクしているのでは。
昔はあれだけ面倒を見てやったのにと思っても、それは過去の話です。では社員さんはどうでしょうか。いかに有能な社員さんであっても、倒産するかも知れないという危機的状況下での実務訓練はできているでしょうか。こうしたとき役に立つのは会社外部の本当の専門家です。今、本当の専門家と書きましたが、詐欺師的自称専門家もうようよしています。
最近もあった例ですが、あるコンサルタントに会社設立と会計の依頼をしたところ、お金だけ巻き上げられたのだそうです。注意することです。また藁をもすがりたいあなた自身に正常な判断ができる状態にはないかも知れないということは考えておかねばなりません。
オレオレ詐欺に引っかかるお年寄りを哂えないのです。では本当の専門家をどうして見分けるかということですが、まずしっかりとした事務所を構えていること、いきなり自らの報酬や、そしてあなたの借財をスーと吸い込むような魔法の小箱をちらつかせた話はしない人だということです。そしてあなたがどうしても生き残りたいという意思を専門家に見せたとき、その専門家は動きます。しかし約束の時間をいつも違えたり、借財の額について嘘の報告をしたりでは、専門家の方が逃げてしまいます。
5 専門家を使うコツ
今、経営危機に直面して、破産を前提としない状況下であなたはどのような専門家を求めますか。弁護士?、税理士?、会計士?、それとも経営コンサルタントでしょうか。この局面で会社を救済するということであれば、肩書きは基本的に関係がないように思います。
ただ財務が読める人でなければなりません。しかもこうした場合における有事対応型の専門家であることが必要です。しかし専門家には専門家故の特性があるということは是非ご理解願いたいところです。
例えば私は税理士ですが、一部には税理士は脱税をする人という認識があるようです。これは誤解です。ちょっと考えれば判ることですが、脱税請負に国家が資格を与えるわけがありません。
税理士の職業倫理は、国家と納税者の間に立って、正しい納税を促す裁判官のようなものだと考えて戴ければ概ね正解です。また弁護士に利害関係が対立する仲介業務を依頼しても、引き受けてもらうことはできません。それも弁護士という職業倫理に発するものです。
話は脱線しましたが、仮に税理士に危機の打開を相談するとして、金融機関からとりあえず新規融資をあおぐため、粉飾した決算書の作成を依頼したとします。税理士はこのような相談に乗ることはできません。それは正しい納税にほど遠い話となるからです。
しかし専門家であれば、会社の置かれている現況からいくつかの方策と、その方策の限界は提示できます。それをどのように判断し、決断し、実行に移すかは結局社長次第です。専門家にその責任の一端を押し付けるようだと、専門家としてはバリアーを張らざるを得なくなって、策を授けることができなくなります。
6組織の引き締めということ
専門家はその専門性に応じてアイデアを出せるとしても、その会社の事業のコア部分を考えるのは、やはり経営者がやることです。過去に良かったビジネスモデルが、今もそのまま良いということは有り得ません。
時代は絶えず動いています。景気が回復しても過去の事業がそのまま復活するということは無いかも知れない、ということは当然考えるべきです。では危機の際してどのような商品や分野に手を打つべきか、ということは真剣に考えねばならぬことですが、場合によっては倒産やむを得なしという状況下では、なかなか思いつくものでもないでしょう。
消極的なようですが、経費を切り詰め、賃金は下げても馘首はせず、閑であれば会社の掃除や草むしりをし、夜は安い飲み屋でもよいから、皆さんが集って和気藹藹としている会社が、一陽来復、景気の回復とともに真っ先によくなるのではないでしょうか。どこの国の軍隊も通常は楽隊を抱えています。軍隊と楽隊とは本質的なところでよく馴染みます。
それは一つの指揮命令系統のもと、それぞれのポジションが一斉にかつ一糸乱れずに動かなければ機能しない、という点で同じだからです。会社も同じで強い会社というのは経営者の意思が末端まで浸透しているものです。そうした会社を創るのには、和気藹藹というテーマは大事な要素です。それは経絡にも似て、氣を巡らすための重要な要素なのです。
「会社」は「社会」ですから、経済的合理性や能率ばかりを追いかけて、人間関係が希薄になれば、社会性とういう観点からは失格です。連帯感が喪失すれば会社は機能不全に陥ります。逆説的ですが危機のときこそ、組織の内外に気を配り、楽観を以って、経営に臨むべきです。
7長期的展望を持とう
前にもこのコーナーで紹介させて頂きました木村勝男さんは、自らの会社を100年持つ会社にしたいと言っていらっしゃいます。その木村さんが書かれた文書をそのまま紹介させて頂きますと「
私がよい社風を創ろうと思う根底には、自社をなんとしても「100年企業にしたい」という思いがあります。会社は社会のお役に立つ仕事をする存在であり、簡単にその仕事を放棄することはできません。また多くの社員の人生を預かっている以上、簡単にその責任を投げ出すこともできません。会社は創業した以上は永続を目指して努力し続けなければならないのです。その一つの目安が100年なのです。パブリックカンパニーの条件なのではないでしょうか。身内しか後続できないのであれば、たとえ上場をしていてもパブリックカンパニーではありません。その会社にとって本当に必要な人が後続できる会社こそがパブリックカンパニーなのです。経営者は全員が中継ぎ投手でよいのです。弊社はわずか10人ほどの零細企業です。その小さな企業がパブリックカンパニーとして継続しうるかどうか。弊社の形態はその実験であるとも言えます。事業承継は、とても難しい問題ですが、その難しさは「いかに身内に継がせるか」というところにあるのではなく、「いかに公器を世に残すか」という点にあるのです」
と書かれています。このような目線で、一度自らの会社をとくと眺めてみてください。どうですか、私にはガマが自らを鏡に映して脂汗を流す。そのような光景が目に浮かびます。
8経営理念を作ろう(1)
経営理念というのは、その会社の行き着く方向であり、また還るべき場所です。それはまた、その企業のステークホルダー(従業員も含めたその企業の利害関係者)に賛同と共感を得るものでなければなりません。
日常は現実とのどろどろの格闘を余儀なくされつつも方向だけは見失わない、といった高い理想が経営理念です。経営理念は、今日のおまんま代をどのように稼ぐかというような発想からは出て参りません。100年ぐらいのスパンで物を考えて始めて策定し得るものだといってよいでしょう。
経営理念をつくることはいわば、よい社風をつくることにつながります。社員諸氏の場の空気と意思の統一をはかり、社外においては、その企業への称賛を得るための大事な要素であると考えます。
宮田矢八郎さんは28年に渡る実務経験及び経営学研究とTKC経営指標の優良企業を分析して生まれた「理念が独自性を生む」という著書のなかで、「経営理念が事業に対する独自の着眼点を生み、これが事業の独自性に結びつく。事業の独自性は高付加価値と高生産性をもたらし、それが利益に結びつく」と書いています。
ちなみに木村勝男さんの会社の昨年度売上は連結ベースで17億5千万円、営業利益は1億8千万円。これはプログで公開されています。このような危機の秋でないと、人間は真摯かつ真剣に問題を考えることはありません。今は経営理念を作るよい機会です。
9経営理念を作ろう(2)
「不易」とは不変の真理というような意味で、これを識らなければ基礎が確立しません。「流行」とは変化を知らなければ新たな進展はないというような意味です。ドラッカー風に言いますと、流行を作り出すのは難儀ですが、これを発見していち早くその先頭に立つということです。
そのためにはアンテナを高く掲げ、微細な変化を見逃さない繊細な心がけが必要です。変化は発見しなければならないものですが、一人部屋に篭っていたのでは、その変化に気づけるはずもないわけで、外に出て人と会い、あるいは本を求めるというような学びが必要であることは言うまでもないことです。しかし不易は学び、研究せねば手に入りません。
不景気で閑散としたこのような時代はあまり外に向かって右往左往せず、今一度人間の本性・本質、組織の強みや弱み、会社と人間の関係等々、不易を研究するのにはいい機会と心得るべきかと思います。
経営難に陥ったのは、海の向こうからきた不況だけが原因なのではありません。社長!!それはあなたの経営方針、あなたの性格、それに長年に渡って与え続けたあなたのイメージが災いしているのです。しかしそれを変えるには勇気が要ります。経営理念で不易を確立し、危機とは縁を切って、100年の繁栄に滑りだしましょう。
10組織改革も外の力を利用しょう
今の不況は、理念を掲げ、経営者が変わる絶好の機会です。今回のテーマである「不景気を乗り切る」ためには従来の延長線上の経営では無理なのです。くどいようですが、経営難に陥ったのは、海の向こうからきた不況だけが原因なのではありません。社長!!それはあなたの経営方針、あなたの性格、それに長年に渡って与え続けたあなたのイメージが災いしているのです。
そこで外部の力を借りるのです。例えば経営コンサルタントに依頼をして、自ら改めたいと思うところと、そのコンサルタンとからの指摘を参考にして改革に着手します。悪いところというのは経営者だけが持っているものでは勿論ありません。
無くて七癖、従業員諸氏の中にも問題点は沢山あります。社員諸氏を集め、コンサルタントからこのような指摘を受けたのでこれからそれを改める。皆も改めるように、という通達を出します。通達を出しただけでは、それっきりとなるのが普通ですから、良い容が定着するまで、しばらくはそのコンサルタンとに継続してアドバイスを受けるのが良いと思います。
今のように閉塞した時代というのは社風の改革には、ある意味とてもよい時期だろうと思います。私の関与先でも一社、私の方から薦めて診断士を入れてもらいました。
11元請会社の期待に応えているか(1)
わが社は技術力があって、取引先からの信頼は抜群によい、と考えていませんか。ややもすると技術力や信頼関係さえあれば、ことはすべて上手く運ぶと考えて、他人がそれをどのように見ているかについて無関心となりがちです。別の言い方をすれば、技術力や信頼性というのは、こちらの想いのうちにはあるもののお客様からは見えるようにはなっていません。
そのためには自らの技術力や、既に構築されて磐石と思われる他社との信頼関係についても、今一度全く他人のような目線で、自らの会社を観察してみなければなりません。その上で自らの強みを中心にして広報活動を繰り広げることです。また一昔前までなら提供している商品や製品の納期・品質・価額がその会社の価値のすべてでした。しかし今は違います。
中小企業といえども企業の価値は経営品質まで踏み込んで評価される時代になったのです。私の事務所には、昔TKCという税理士団体に入会したとき貰った「飯塚毅事務所の管理文書」という厚い本があります。
私はこれを大切にしておりますが、最近TKCからドイツ連邦税理士会が発行した「税理士業務における品質保証と品質管理」というA4判、厚さ5センチほどの本を頂戴しました。税理士業界が旧態依然として税務申告だけで飯を食っている、というイメージで捉えられると困ります。私どもの業界でもそれほど変化しているのです。
12元請会社の期待に応えているか(2)
今回のこのコーナーは、中小製造業をイメージして書いています。下請企業は元請の要請を正確に知らねばなりません。この辺りの時代の変化を鋭くキャッチして対応した企業は、今後生き残れます。しかし相変わらず製品の品質とその提供価格のみで勝負している会社は駄目でしょうね。
そのような会社は今のような経済状態があと1年も続けば、逼塞を余儀なくされます。またそれだけに中小企業に外注をしている大企業の存在の大きさを改めて感じる次第です。ここでソニーグループが公開している「ソニーサプライヤー行動規範」について触れてみます。
この行動規範はソニーグループが下請けに対して求める、外形的実質的規範だと考えて差支えありません。つまり、こうした規範をもっている部品メーカーには仕事を積極的に出しますよというサインなのです。この行動規範には1労働問題、2安全衛生、3環境基準、4管理の仕組み、5倫理的経営と大きく5区分されたうえで、その区分ごとにさらにいくつか具体的な基準が設けられています。ソニーサプライヤー行動規範はネットで簡単に手に入ることができますから、一度読まれることです。
書かれていることは、さほど難しいことではありません。一般の中小企業であれば、大方は既にクリアーできているテーマのように感じます。また現在自社ではできていないようなことであっても、あと少しの工夫や努力で達成可能なものばかりのように思います。
13元請会社の期待に応えているか(3)
今回の不況で改めて、大企業が中小企業に与える影響の大きさを感じました。トヨタなど自動車業界の生産ストップで下請企業は元より日本全土が震撼したのです。
中小の下請メーカーは、メーカーとして生き残るためには、大手企業が何を下請に何を期待しているのかということを、徹底して研究しなければいけません。しかしどれだけの中小企業がそうしたことへの理解を持っているのでしょうか。先に示した「ソニーサプライヤーの行動規範」、5論理的経営の中の(2)には「情報の公開」という項目が入っており、私どもの業務にも関連することですが、事業活動、構造、財政状態や業績に関わる情報開示は関連する法令と業界の実例に従うこと、と記載されております。
会社法440条において、株式会社の貸借対照表(大企業にあって貸借対照表及び損益計算書)の公開が義務付けられております。しかし中小企業においては、このような観点から財務諸表の作成をしているところは皆無といってよいでしょう。残念なことです。
過去においては中小企業の財務諸表を公開するなどという発想はありませんでした。今や財務諸表が、取引先の信頼性を得る非常に大切なツールであるということです。このソニーサプライヤーの行動規範に書かれているようなことを、丹念に一つずつ俎上に載せて検討し、自家薬籠中のものとして、広報していくという地道な努力が結局は信頼を得て、会社の繁栄につながるのではないでしょうか。
14言葉の効用
政治家の失言はマスコミを賑わしますから、すぐにそれが失言であることが世間にも伝わります。翻って会社経営者の言葉はどうでしょうか。取引先に対しても十分な訓練のもとに言葉を発しているでしょうか。
経営者の不用意な発言がどれだけ従業員諸氏のやる気を削ぎ、世間に対しては誤解を与えているかを考えねばなりません。それが会社の成績にどのような影響を与えているかということです。言葉は一度吐くと元には戻りません。社長の一言というのは軽い冗談のつもりであっても、受けた方にはそうではないということが多々あります。また社長の失言は、それが失言ですよと囁いてくれる人はおそらく周りにはいません。
その発言が失言であったということは、言った本人は全然気づいていないことが多いものです。基本方針を述べるときや、従業員を叱るときなど、重要な場面で言葉を使うときには、要点を紙に書いて保持し、相手に渡し、
あるいはそれを張り出すなど、決して思いつきでしゃべってはいけないのです。先に言ったことと違うことを言うなら、まずその前言の訂正をしてからでないといけません。言葉は言の葉であり、言霊でもあります。言った尻からひらひら散っていくのが言の葉であるなら、言霊は相手の心魂に響くものです。日常の言葉は言の葉として使うことが多いものですが、重要な場面では、言葉は選んで、正しく使うことです。
それが社長と会社の信用となり、尊敬にまで昇華すれば、まあ不景気などはどこの国の話しかということになるでしょうね。それは必ずしも雄弁を意味しません。言語力を鋭く磨くこと、御一報くだされば、とてもよい勉強の場を紹介いたします。