選挙
これはマスコミなどが論評しているところで市井人の私が語るようなことではないと思いますが、自民党の体たらくは本当に情けないですね。選挙権を得て以来ずっと自民党を応援してきました。今も自民党を応援しています。
しかし最近は積極的に自民党を信じるというようなことではなく、他に信頼をおける政党はないからという消極的応援になっています。
民主党もよくありません。民主党の党首小沢さんは人相が悪すぎます。あの顔が我が日本国の首領になると考えただけで、悪寒が走ります。それに小沢さんからは国家をどのように指導するのかという理念が感じられません。
彼は政局の人といわれますがそのとおりだと思います。永住外国人に選挙権を与えるといったり、国連中心主義を唱えたりで、国の形すなわち日本国民が永い歴史のなかで形成してきた合意事項、先人たちがそれこそ命懸けで護って来た国土をどのように承継していくのか、といったことに対しての安心感がありません。もし民主党が政権を握って小沢さんが首相の地位についても、政治が混乱するだけに終わるだろうと思います。
また今の民主党の主だった面々を見る限り、自らの政党をそのようには評価していないようにも見えます。怖い話しです。
では自民党総裁選の出ている面々はどうかというと、これまた頼りないように思います。
阿倍さんは体調を崩して途中で政権を投げ出しました。阿部さんが総理になる前には週刊誌あたりが阿倍さんの健康状態を叩いていたことを思い出します。
週刊誌が噂をするくらいですから、阿部さんは元々健康には不安を抱えていたのです。それは誰よりも本人がご存知のはずです。
首相という地位がどれだけの激務で、自らの健康状態で首相が務まるかどうかの判断ができなかったのです。私は阿部さんが嫌いではありません。日本が置かれている位置、歴史はよくご存知の方ですから、もう一度首相を引き受けて頂きたいという思いもあります。しかし自らの健康状態を判断できないようではやはり問題があります。
これに続いた福田さんは、見た目は実直なサラリーマン風でしたが、首相としてもその域を超えることはなかったようでした。
福田さんを見ていて、国家に対する熱い想いとか、政治家としての見識といったものは感じませんでした。
その点で会社の経営者には優れた人達がいます。それは中小企業のオヤジであってもそうです。たとえ中小企業と雖も、それなりの覚悟と知恵がなければ、生涯を全うすることはできません。失敗すれば、一家は離散、奈落の底に落ちるのが事業経営というものです。
またそれはどこまでも体験・経験・知恵の世界でもありますから、自ら会社経営をし、そこで血の出るような工夫や苦労をして、そこを乗り越えなければ、経営者にはなり得ません。
修羅場を潜ってきた社長とその下にいる専務とでは、包容力、知恵、瞬時の判断においてそれこそ天と地ほどの差があることがあります。
福田さんも内閣官房長官などの要職にも就きました。私のイメージですが福田さんは、会社で言えば専務の体験もなく、課長からいきなり社長に抜擢されたような人だったように思います。それは同族経営にありがちな、社長の子息が社長の子供というだけで、ひ弱なまま、社長の椅子に着いたようなものです。しかしひ弱ではあっても、意欲があれば、そのうち体験や学習を経て様になってきます。あるいは先代を凌ぐような経営者にも育ちます。
またサラリーマンであっても将来一国一城の主を意識していたなら、それこそ日常がすべてそのための学習の場となります。従って社長となった時点でそれなりの見識も持っていることになります。
福田さんはそうではありませんでした。最初から天下を狙っていたわけではありません。傍目にも何もできないまま短命に終わることは予測のうちでした。首相としては最初から不適格だったのではないでしょうか。しかし最早こうした人材しか自民党にはいないわけで、このことは自民党のみならず国民にとっても大いなる不幸といわねばなりません。
では現在自民党総裁に立候補している人たちどうか、ということです。皆さん明るくていいのですが、お顔を拝見する限り威厳がありません。覚悟も見られません。首相の顔で威厳と品位を備えていたのは、大平さんぐらいまででした。
また時代の背景を考えたとき、首相の座を狙うのであれば、次の点においてしっかりとした経綸を持って欲しいと思います。
一つは国防です。我が国のお隣には邪悪な国家群、それは中国であり朝鮮であり、ロシアといったところが存在します。こうした国と今後どのように対峙していくのか、またこのような国々と付き合っていく上で日本という国民国家の臍はなになのか、といったことを国民に訴えていくことが必要です。
当然こうしたことを表に打ち出せば、日本を取り巻く諸外国よりも、まず我が国で喧しき論争が起きて、政権の安定にも支障を来たすことは承知しています。しかし避けていけません。
二つ目は農業問題です。日本の食糧自給率は40%程度ですが、それはカロリーベースでの話で、生産者ベースでは70%といわれています。
車で郊外に出ても、新幹線の車窓から眺めても遊休農地はたくさんあります。 こうした農地を組織化して中規模農家を育てることが大事です。
日本の農業は儲からないように言われていますが、そうではありません。儲けているところは随分あります。農業はお年寄りなれば過酷な労働となります。跡継ぎいないことも多々あります。しかし祖先伝来の農地ですから手放すことには抵抗があります。また放置すれば、農地とはいえなくなります。かといって有料で貸せば耕作権が取られてしまうことになりかねません。
しかし誰かに貸して只で耕作をしてもらえば農地は荒れませんし、耕作権も取られません。借りた方はロハで借りているわけで、売れる農産物を作れば地代は要りませんから、大いに儲かります。最近はトラクターでも冷暖房付のものが売れているそうです。
農業を日本の産業に育てれば、国内自給率が上るだけでなく、輸出にも廻せます。それによって失業も吸収できます。もっと言えば生活保護を受けているような人たちに公金を使うことをやめ、あるいは自閉症の子供たちの解放の場としても農業は有効だと思います。
余談ですが少子高齢化の問題も簡単に解決する方法があります。堕胎を禁止すれば良いのです。
三つ目は中小企業政策です。今シャープが堺に液晶の工場を作っています。
しかしシャープのこの工場は、それほどの産業的広がりは持ちません。なぜなら、生産技術は秘匿されていますから、仕事はそれほど下請けには回らないのです。従って昔のように企業城下町ができるようなことにはなりませんし、雇用の創出も限られたものになります。
セブンイレブンのようなコンビニなども、そこで売られる商品は地元のものではありません。また回収されたお金はすべて東京本部に持っていかれますから大阪には落ちません。
岡田知弘先生という京都大学の教授がいらっしゃいます。地域経済を研究されている方ですが、地域内経済循環ということを説いています。それは一つの産業が何層にもなって地域を潤すことをいうのですが、良い例として、美濃加茂の陶器や湯布院を挙げていらっしゃいます。その中味は割愛しますが、中小企業政策はしっかりとして頂きたいと考えます。
先ほどの農業問題にしてもそうですが、これを中小企業しか参入できないような仕組みを作るべきです。「市場経済主義」というのは実に非人間的なものです。市場を制覇するのは、最終的には数社のみ。後を振り返ると死屍累々とした殺伐たるものとなります。
日本人には、やはりゴルフのようにハンディを付けて、そこで競争をするような産業構造が望ましいと思います。産業は本来人間の幸福を目指すものですから、その構造が「市場経済主義」という言葉に象徴されるようなものであってはなりません。
最後に今回の総裁候補についてですが、与謝野さんは、駄目だろうと思います。彼は消費税を上げるつもりです。消費税は景気には必ずしも良い税制ではありません。また企業にとっても迷惑な税制です。消費税は昭和63年暮竹下内閣のときに創設されました。
平成元年からの施行となりましたが、景気がピークをつけたのもこの辺りです。
景気が悪くなった要因は他にもありますが、消費税の導入がそれに輪を掛けたという側面は見て取れます。その後橋本内閣のときに3%の消費が5%となり、せっかくよくなりかけた景気に水を差しました。
消費税の問題点を簡単に述べますと、それは消費者負担を前提としながら、実は企業の負担になっているということです。例えば3%の消費税が5%になったとき、物価が2%上がったかというとそうではありません。物価はあがりませんでした。多分一般の消費者は消費税の仕組みは知りません。消費税はすべて企業が納めています。従って消費税を第二法人税というような呼び方をして一向に差支えありません。
また消費税は大手企業においてはその転嫁ができますが、中小企業にはこれができません。例えば、中小製造業から仕入をしている大手企業は、その対価に対して消費税は払いますが、他方において値下げ要求をしてきます。従って消費税を上げれば中小企業が苦しみます。
石原さんは、先ほどの例で言えば中堅企業の課長のようなものです。この人もよくありません。お顔を拝見していても顎が細く、胆力はなさそうです。平時の人ですから修羅場には弱いと思います。中国や北朝鮮はたまたロシアと渡り合えそうにはありません。
自民党は当分駄目です。このまずーと駄目なままかも知れません。足の引っ張り合いばかりで、まとめる人間がいません。先ほど民主党には理念がないと書きましたが、それは自民党も同じです。
しかし企業経営をする上で、政党を観察しているだけでも学ぶところがあります。まあ他山の石といったところでしょうか。
いずれにせよ日本と日本人を体現した政権が誕生することを期待したいですね。