華のポスター19、10,5(金)

皇太子殿下はその昔、結婚したい女優ということで竹下景子の名前をお挙げになられたことがあった。その竹下景子さん、今、近鉄各駅のポスターで見かける。
例えば景子さんが近鉄特急の車輌の窓側座席に旅行鞄を三つほど置き、にっこりと微笑んでいる図など、有態にいって見られたものではない。目は虚ろで、表情に乏しく女優の顔ではない。そんじょそこらにいるオバンの顔である。景気さんが悪いのではなく、写真を撮ったカメラマンの技量が悪いのである。またこのような写真を使用した担当者のセンスにも問題あり。
このポスターのシリーズで一番良かったのが、景子さんがオットセイ(ひょっとしてアシカ?)と顔を付きあわせ、抱擁をしている図である。これは往年の景子さんそのままの笑顔であった。しかしこの図を見たとき、合成写真ではないかと疑った。
 景子さんの表情にオットセイに対する警戒心が微塵も感じられなかったからである。オットセイの体重は恵子さんのそれの数倍はあるだろう。それだけでも恐怖である。それにあんなに近づけば、オットセイの加齢臭だって相当なものに違いない。そうしたヤな条件をすべて承知であの笑顔ができるのなら、やはりプロとしての女優である。
合成写真を疑って仔細に眺めたが、構図、構成、影の出来具合に疑わしところは無かった。
 ところでもう一つ。地下鉄のポスターで、狸の頭に葉っぱを乗せたのがある。
狸が頭に葉っぱを乗せるのは、人を騙すときと昔から相場が決まっている。このポスター、最近はあまり見かけなくなったが、一時期は地下鉄のあちらこちらに貼ってあった。
 これなどは、私から見て絵が下手糞(感性の問題でもあるから、見ようによっては上手に描かれていて、人の気を引くのかも知れない)で、実に嫌なポスターであった。
 それにこのポスターはカードの宣伝に用いたものである。一見したとき、そのカードに信用があるというイメージを売らなければならないと思うのだが、それなのに頭に葉っぱを乗せた狸を用いるとはどういう了見なのだろう。これなどもポスター製作に携わった人間の感性を疑わせると思うのである。
 ところで近鉄のポスター、今日も景子さんの新しいバージョンを見つけた。どうも景子さんの頭が重たく、しかも不潔に見える。なぜかと観察すれば、明らかにカツラと分るカツラを被っているものだから不自然かつ不潔なのである。
男でも結構カツラを乗せている御仁はいる。男のカツラは悲哀が漂い褒めるわけにはいかない。それにハゲ具合を想像してしまうから結局無駄である。ポスターで見る景子さんのそれも、このカツラに近いものがあった。
 安モンのカツラと安モンのカメラマンで景子さんのイメージは台無し、近鉄さんもダラケているなあ。嗚呼
 そう云えば一月ほど前、新幹線は東京駅で、わが青春の華「吉永小百合」のポスターを見た。それは顔が真ん丸に肥えた吉永小百合であった。なぜ真ん丸に肥えたか、理由はすぐに分った。直径は1.5mもあろうかと思われる大きな丸い鉄筋コンクリートの柱に、小百合おばさんの、それも大きな顔写真を貼ったものだから、その柱の凹凸をそのまま反映して太って見えたのである。これは写真の問題ではなく貼った場所が問題。嗚呼