税務調査(悩ましい問題)19、9、29(土)

 最近某社の調査を受けた。その社は10年ぶりぐらいの期間を置いての調査である。調査官は3人で2日間続き、暫く日を置いて、もう半日ということで2人が来た。
延べ日数にして1人での調査とすれば7日と計算されることになる。和気藹々とした調査で、大きな指摘事項があったわけではない。
 昔勤めているころ、税理士補助として調査の立会いはしていた。立会いは特別休暇を貰ったような楽しさがあった。なんせ、何もしないで調査が進むのを横から見ているだけでのことであった。まあ、質問には答えたが。
 さて最後に焦点が絞られた。まず契約書に貼られた印紙の金額が違うということの指摘があった。印紙は書面の様式により金額が違ってくる。もう一つは源泉税の問題である。
この2つは明らかに納税者に落ち度があるもので、指摘はやむを得ないものであった。
両方を合わせて税金は1万円弱。
 もう一つは消費税とそれに伴う減価償却費の問題である。これは数年前に購入した工場とその用地が契約書では(建物があるにもかかわらず)土地のみに金額が附され、建物価額はゼロと表現されていた。建物は購入後一部の修繕はしたが、そのまま工場として使用している。これを私は建物価額850万円、土地は1億5千万円と計算して当初の入帳価額とした。これが引っかかったのである。
 調査官の言い分は、これは全てが土地であるというのである。それはまず契約書で建物価額がゼロと記載されていることと、もう一つは購入時に建て替える予定があり、新しい工場の設計まで依頼して建て替える予定であったからと、いうことであった。
 消費税基本通達11-4-2は、課税資産と非課税資産を同一の者から同時に譲り受けた場合は、その支払対価を合理的に区分せよ、と書かれている。
また法人税租税特別措置法通達62の3(2)-3においては建物及び土地の価額としてそれぞれ相当と認められる金額を合理的に計算されている場合で、かつそれが契約書で明らかにされている場合はこれを認める、となっている。
この法人税の通達を見る限り契約書に記載された金額が優先するとは、どこにも書かれていない。
それはある意味当然で、逆に契約書で土地をゼロとし、建物が対価の全てとしてあれば、税務上通るのかという問題となる。こんなことは有り得ない。これが通れば土地も償却されてしまうからである。
詰めの段階で、私は調査官にこう申し述べた。「ご指摘が、土地と建物の区分計算に問題があるというのであれば、まだ理解できます。しかし全額が土地というのは問題です。これは争えば私が勝ちます。更正を打って頂いても構いません。しかしこれに係る税金はそう多額ではありません。しかも調査には3日間おいで頂いております、この点を考慮して社長の了解があれば、修正申告に応じることもあります」
私は争うのは基本的に好きではない。それに私だって判断を間違うこともある。今、覚えてはないけれども、これまで税務署で頭を掻いたこともあるハズだ。それに調査もワキアイアイのうちに進んだ。3日も付き合えば情の一つも通う。さて・・・・