名刺19.6.23(土)
最近名刺を新調しました。名刺を新調するとはおかしな表現ですが、キャッチフレーズを入れてのカラー名刺と想像して下さい。
キャッチフレーズは「会計が結ぶ企業の繁栄」というものです。デザインの作成は知り合いのNさんに頼みました。この「結ぶ」というのを大黒様が担っていらっしゃる袋のイメージで作成してもらいました。
会計が正しい会社というのは、潰れないというのが私の思いであり持論ですから、このキャッチフレーズも自分が考えたものとしては気に入っていました。
出来上がった名刺は、なかなか綺麗でしたが、初対面の人にいざお渡しするとなると、どうも気が引けるのです。
これは私の名刺ではないという感覚が抜けないでいました。
したがって新調名刺はあまり使わず、従来のものをお渡しするようにしておりました。
昨日、ある勉強会で親しくして頂いているHさんに、新調名刺をお見せして、これはどうでしょうと尋ねたところ、いきなり「これはチラシですか」と言われ、氷解しました。
このHさん、私とは同い年の車屋さんです。車屋さんといっても人力車を曳いているわけではありません、誤解のないように。
最近その自動車会社は子息に譲られ、治療院を開かれております。そのようないくつもの才能をどうやって養ったのか。いつもニコニコしていて不思議なおっちゃんです。
確かに私が新調した名刺は、名刺というよりチラシでした。
そういえば、著名な経営コンサルタントM先生の名刺を頂戴したときのことですが、その名刺はご本人の名前と、住所とそれに電話番号のみの簡素なものした。字体も小さく、肩書きもなかったように記憶しております。その簡素な名刺が妙に心に残っておりましたから、すべてが氷解したのです。
早速、名刺を作り直すことにしました。
名刺というのは本来、自分の名前と連絡先を知ってもらうための道具ですから、控えめなのが良いに決まっています。チラシと見紛うような名刺は、どんなにデザインが優れていても、キャッチフレーズが人の気を引くようなものであっても、あまりいい印象は与えないものと思います。そればかりか油断ならないやつと警戒されるのが落ちです。
またチラシのような名刺は、自分を知ってもらう以上に、相手に誤解を与えてしまいかねません。自分の存在をよく知ってもらうためには、最初、私という人間が醸し出す見たままの印象がどうかということと、その後のお付き合いのほうが大事です。そうかと言って、例えば技術を売りものにしているような会社社長の名刺でありながら、頂戴した名刺の印刷技術が拙い、あるいは名刺の台紙が汚れていたり、粗悪であるような場合は、売り物である技術そのものの印象を悪くしてしまうのも事実です。
税理士事務所の名刺もそうです。名刺は質素で慎ましやかなのがいいといっても、字体や文字の間隔それに台紙には気品が必要です。いわば質素で美しい名刺がよい、というのが結論です。