ご存知ですか、中小企業憲章運動19.5.31

中小企業憲章19.5.31(水)
 昨日、中小企業憲章推進本部会議に参加。場所は同友会事務所。

皆さん、中小企業憲章をご存知ですか。知っている方は多分今のところ、中小企業家同友会のメンバーです。
 中小企業家同友会を知らない方のために、この団体を少しだけ説明いたします。
発足は1957年東京です。今は全国の都道府県ごとに組織を結成しており、大阪の会員は3,000名弱、地域ごとに18支部があります。
設立の目的は簡単に言ってしまえば、中小企業を強靭で社会にとってより有用にするための活動をすることです。
 加入資格は中小企業の経営者およびそれに準じる者ということであり、すべて個人限定で、法人資格で会員になることは認められておりません。
 これを読まれて興味のある方、是非入会を検討してください。

「中小企業憲章」とは何ぞや、と思われる向きのために、これについて私の理解している範囲のことを述べますと、「中小企業憲章とは、国が中小企業を国家の大事と位置づけ、法律策定や政策を実施する上での上位概念」とでも申し上げておきます。したがって法律ではありません。
 現在日本国が採択している憲章といえば、児童憲章がある、歴史を辿れば「教育勅語」などは、国民憲章といっていいようなものです。
教育勅語は明治のちょっと前、黎明期の日本国が国体を意識し、日本人が日本人としてのあるべき姿を啓蒙するために作ったもので、戦後にできた「教育基本法」とはあきらかに違っています。
 中小企業憲章がどのような文言で語られるのかは、今のところ不明ですが、私の希望としては、
(1)先ず文章が美しいこと
(2)中小企業を弱者として位置づけるのではなく、国家が国民の福利を実現する上での大切な機関であるという視点から発想して欲しいこと
(3)中小企業は、地域と密接不可分にして地域や地域文化の産業的特性を代表するものと位置づけ、そのことを以って、大企業の参入障壁を設けること
(4)中小企業の規模(人的基準等)を明確に示すこと
などです。
 中小企業が大企業に比べれば、すべての点で弱い立場に立っていることは間違いのないところですが、このような視点からのみ憲章を発想すると、国に対して庇護を求めるような卑しいものになってしまう気がします。
 例えば、ヨーロッパEUの小企業憲章おいては、その冒頭で「小企業はヨーロッパのバックボーン(背骨)」と書かれています。
 同友会では、憲章の制定を目的としつつ、同時に地方自治体に中小企業条例の制定を働きかけるべき運動も展開していまして、足元を固めて世論を形成し、国家憲章にまで持っていこうとの戦略です。
 しかし、なかなか会員諸氏の理解が得られていません。「中小企憲章」という言葉が、日常の生活からはあまりにも懸離れて映るのでしょうか。
中小企業憲章が意図するところは、大きくは経営環境の改善ということです。この環境の改善こそ、人類が延々と続けてきたことでもあります。
 今私は事務所でこの文章を書いていますが、頭には蛍光灯が灯り、高性能のパソコンを前にして、キーボードを叩いております。そのパソコンはスチールの机の上に置かれております、と考えれば私が快適に生活できているのは、この環境改善の賜物です。呼吸するための空気も天然自然のものではなく、暖めたり冷やしたりしたものであります。
 もっともこれらの環境改善は、日常生活に即した生活の利便性に関するものであって、同友会が目標としている環境改善は、国の慣習や制度に及ぶものでありますから、目には直接見えません。
 中小企業基本法は1,999年に改正されております。それまでは
(1)中小企業高度化、(2)事業活動の不利補正,(3)小規模事業対策が柱であったが、改正後は
(1)経営革新・創業促進、(2)経営基盤の強化、(3)経済的社会環境変化への適応の円滑化となっていました。
その後これが中小企業にどのような影響となって顕れたかは、企業家の皆様であれば、身に染みていらっしゃると思います。倒産や廃業の増加は必ずしも、経営者の責任とはいえません、環境変化が急激であったことと大いに関係があります。
 このような環境変化は、グローバルスタンダード、言い換えればアメリカンストンダードに日本が従順に従ったことと無縁ではないでしょう。言われるところの市場経済主義が跳梁跋扈した結果です。
 しかし当のアメリカも、市場経済主義の中に中小企業を呼び込む工夫をしているらしいのです。
 EUにはEUの小企業憲章があります。ドイツのマイスター制度などはEU小企業憲章に包摂されているのでしょう。
 日本には日本の産業スタイルがあっていいのではないか。
中小業憲章が日本標準の産業文化を胚胎し、育むようにしなければならなりません。どのような中小企業憲章になるか、楽しみです。
 ただ制定に向けての運動に問題がないわけではありません。それは先にも書きましたが
(1)会員諸氏の賛同が十分得られていないように見受けられること、
(2)中小企業家同友会そのものが、いかなる政治団体とも没交渉であること。
(3)中小企業家同友会の全国的組織率が2%弱(間違っているかもしれません)であり、世論を形成するためには、パワー不足の状態にあると見受けられること、
(4)中小企業憲章を制定するについて、先ず会員諸氏が経営環境をどのように認識しているかの学習会から入っているため、具体的に制定へ向けて遅々としていること、
などです。
 どうです、これをお読みになった貴方、入会しませんか。歓迎しますヨ。