26~給与の設計

26給与の設計
 企業のカタチを作る上で、前回は差別平等、ということについて触れました。
差別平等とは、すなわち異質の能力を評価して、一線に揃えることだ、と書きました。では、そのような能力を各社員から引き出したとき、給料はどうすべきでしょうか。

例えば営業で月1,000万円の受注を取ってくる人間と、500万円しか受注が出来ない人間との給与格差はどうすべきか、ということです。差別平等ということですから、当然そこには営業面での差が出ているわけで、給与も営業力に反映させるべきですね。営業というのは、本来そうすべきです。

ところで、製造部門でも、これをそのまま適用するのが正しいのでしょうか。社員歴、年齢が同じだとして、1日、100個のプレスができる人間と、50個のプレスしかできない人間とを比較して、100個のプレスのできる方の給料を高くするのは正しいことでしょうか。

物造りの現場というのは、営業の世界とは違います。営業が狩猟であるとしたら、物造りは農業です。農業の世界では手の早い遅いで給料に差をつけてはいけません。農業で大事なのは農地を耕し、種の植える時期を間違わず、採集するまでの水や肥料の施し方など、目配り、気配りが要求されます。手が早いというのは、それほどの評価には値しないのです。

中小企業ではよくあることですが、他と比較して、現場での技能が優れているから、給与を上げよ、という手合いが必ず出てくるものです。また経営陣に取りましても、手が早いということでチヤホヤしてしまいます。

物造りの現場で、もし差をつけるなら、社員に対しての指導性、あるいは技能・技術の習得能力や周りへ伝播力、情熱があるか否かを勘案して、地位を与え、その上で給料に差をつけるようにしなければなりません。

特定の社員の特殊能力のみで、給料を上げた場合、周りとの協調性が取れなくなり、結局現場は瓦解します。それは製品の出来・不出来にも影響を与えます。前回のテーマは企業のカタチを作ることだと書きました。

営業部門のカタチ、製造現場のカタチ、研究開発部門のカタチ、品質管理部門のカタチ、あるいは総務部のカタチ、それぞれのカタチがどうあるべきか。
またそれらを大括りしたところのカタチ、またこれらを一線に揃える、ということを徹底的に研究されてしかるべきなのです。また仕事がよくできる、ことが、即、管理スキルがあるということでもありません。給料の設計は、そうしたところからも考えねばなりません。