不況脱出大作戦~24財務
中小企業経営は、資金調達を金融機関からの融資に頼ることが多いのですが、危険なことです。1億円を銀行から融資を受けたとします。なるほど借りた時点では、借入金とそれに見合う預金があるわけですが、しばらくすると預金の方は消えて、借りたお金の返済義務だけが残っている状況になります。
よく言われることですがデフレの時代には、例え調達金利が固定で2%であったとしても、物価の下落を考慮すれば、それが3%、あるいは4%と高くなっていることがあります。売上に対しての営業利益率が10%程度あれば、まだいい方ですが、営業利益の殆んどが、支払金利で消えている会社もよく見かけけるところです。
金融機関からの融資を受けている場合、その融資が財務の中でどのように展開しているのかを、検討することも大事です。(売掛金+手持受取手形)の残高が、(買掛金+支払手形)の残高を上回るケースだと、融資資金は設備や長期投資資金であるか、あるいは預金で残っているかになります。
ところが逆のケースで、(買掛金+更に支払手形)の残高が突出しているようなことでは、経営そのものが危うくなっていることが多いのです。金融円滑化法もあと7月を残すのみとなりました。この7月の間にすべきことは、手元にキャッシュを多く残すことです。
この度、大阪府下で中堅の信用金庫同士が合併することになりましたが、この合併は金融円滑化法の終了を見越してのものである、ということが巷間広く噂に出ております。つまり一方の金融機関が貸し出しに回収不能のものが多く、合併を急いだということです。
また大阪府や大阪市の信用保証協会付きの融資も相当額が焦げ付いているようです。最終的にそこには税金が投入されるのですから、こうした保証制度自体の継続が無理になるかも知れません。これから来年の3月にかけて、多くの中小企業が倒産しそうです。それに大手企業の海外調達が増えていくでしょうから、国内では仕事が益々無くなることでしょう。安易に外部からの資金調達に頼らない、借りた金は素早く返すなど、財務対策を誤らないことです。