不況脱出大作戦 ~15経営の一番のリスク
企業を取巻く経営リスクというのは政治、経済、自然災害、事故なぞ数えればうんざりするほどあります。そのなかで、事前に予知できるものと、予知できないものがあり、予知ができても対処対策が打てないもの、更に周りの人は分かっているのに、社長自信が気づいていないリスクがあります。
実はこの経営者が気づいていないリスクこそ経営にとっては一番のリスクなのです。例えば従業員が遣い込みをやったとしても、顧問税理士がしっかり帳簿を監査しているとか、内部牽制システムが正しく構築されていれば、問題を大きくしないで防ぐことができます。しかし乱脈経理が経営者の指示の基に行われれば、それは誰も止めることはできません。
一事が万事で、このような経営リスクは、直ぐに会計帳簿の杜撰さになって顕在化してきます。企業経営において最大のリスクというのは、どのような社長を頂くか、ということと深く繋がっていることなのです。
経営は経営者次第なのであって、経営がしっかりしていれば、環境がどうであれ、破産や倒産は免れ得るものです。
経営者の劣化というリスクにどのように対処するかですが、まず面と向かって、意見をしても聞き入れては貰えません。一番いいのは経営者の交代ですが、現社長に変わる人材というのは中々いるものではありません。経営者リスクというのは、お金の使い込みのみならず、朝が遅いこと、殆んど会社にいないこと、社員の意見に耳を傾けないこと、間違った指示命令を出すことなど、数えれば切りがありません。
社長に適当な交代者がいないのであれば、補佐する人間を置かねばならないのですが、しかし自覚のない社長の下では、いかなる人材も通用しません。倒産の徴候(サイン)というのは、倒産に至るかなり前から出るもので、その殆んどは経営者の見識に由来するものです。
経営者が気づかない、経営者そのものに内在するリスク、このリスクこそが最大の経営リスクで、会社内部やその企業に関係する人材では、このリスクには対処はできないのです。
従って経営者たるもの、あまり日常業務に没頭しては駄目なのです。たまには他人のような目で、自社を観察してみましょう。