このたび度改正された消費税法についての解説です。

1納税義務の免除ということ
 消費税の免税制度には二つの柱がありました。一つは基準期間(個人事業者は前々年、法人は前々事業年度)において課税売上高が1,000万円以下の事業者は消費税が免除されるというもの。もう一つは基準期間がなくとも(例えば法人の新規設立の場合。新規設立に限り、合併や分割は別に考えます)、資本金が1千万円以上であれば、納税義務は免除しないというものです。
 今度の消費税法の改正では、この基準期間基準がなくなります。
どう変わったかというと、その事業年度開始前1年前から起算して6月の間の課税売上若しくは給与支払総額が1,000万円超の場合には消費税が課税されることになります。
 これまでは、個人で開業して2年間継続し、その後法人を資本金800万円で設立して法人成りをすれば、都合4年間は消費税を合法的に免れることができたのですが、この節税方式が封鎖されたのです。
ただこの給与支払総額1,000万円超という基準は分かりづらいですね。給与が半年で1千万程度出てくる、という経営規模の場合、業種にもよるでしょうが、売上規模は普通なら1千万円前後では収まらないからです。
つまり半年の売上が700万円で給与が1,200万円というような経営は考えられないということです。改正の背景がわかりません。
この改正は個人については平成25年1月から、法人については平成25年4月1日以降開始する事業年度から適用されます。

2仕入税額控除の改正
 仕入税額控除については、これまでは課税売上割合が95%以上の場合、仕入税額は全額控除されていました。しかし平成24年4月1日以後に開始する開始する事業年度で、課税売上が5億を超える事業者については、この95%ルールが適用されずに、個別対応方式か一括比例配分方式で仕入税額控除を計算しなければならなくなりました。
 消費税が考えている売上には(1)課税売上、(2)非課税売上、(3)不課税取引、(4)免税売上があります。
 今後はこの区分の認識を正しく判断しなければなりません。そうしないと課税売上割合を間違えて計算することになります。
 次に仕入税額控除の計算ですが、これを一括比例配分方式で計算するのか、個別対応方式で計算するのか、という問題があります。
 ここで計算事例を載せることは割愛しますが、一般的には個別対応方式で計算する方が納税額は低く抑えられるはずです。また一度一括比例配分方式を採用しますと2年間の継続が必要です。