貸し渋り・貸し剥がしへの対処
貸し渋りや貸し剥がしの問題は私の周りでも散見されるようになりました。また個々の企業の皆様の話を聞かして貰っても、その景況感は過去20年ぐらいでは最も悪いように感じます。
今後、少なくとも来年(平成21年)の3月まではこのような大変な状況が続くのではないかと思います。平成21年の3月になれば、更に景気の落ち込みがあるのか、あるいは上向くのかの見通しがつくのではないでしょうか。希望的ですが私はその後は良くなっていくと想像しています。・・・
ただ、ここに来て売上の凋落は著しく、資金繰りが大変な企業が続出しています。それは特定中小企業への緊急融資保証制度への申込殺到ぶりからも窺えます。
ではこの事態にどう対処すべきか。以下は「戦略経営者12月号」の載っていたものを要約、アレンジをしてまとめたものです。
1自社の経営状態を強くアピールすること
借りた資金を何に使い、利息を付けていつまでに返すか、キャッシュフローを示して金融機関に説明すること。それに融資を申し込むに際しては資金繰り予定表を提出すること。
2経営計画書を策定すること。
少なくとも向う3年間ぐらいの経営計画書を作成することです。これは人任せにするのではなく、社長自身の業務と心得るべきです。
なおキャッシュフロー計算書は当事務所では業務の一環として位置づけております。また経営計画書についても、作成のお手伝いはさせて頂いております。
3与信管理を徹底しよう
銀行からの融資が受けられるかどうかということも然ることながら、貸倒損失を受けないことも大事な要素です。とりわけ大口の取引先については与信管理を徹底することが望まれます。時代の背景を考えますと、上場企業だからといって油断がなりません。取引先の経営状態がどのようなことになっているのか。できうれば取引先から最近の決算書を手に入れて、キャッシュフロー計算書を作成してみましょう。とりわけ営業キャッシュフローがどうなっているかは重要です。
御社の営業マンは取引先のアナログ情報を手に入れやすい状況にあります。例えば、風評や噂の類、その企業からの人材の流出、社長の顔つき等など、そうしたことも営業報告の一環として報告をしてもらい、財務情報と突合せをしなければなりません。
4自社の定性要因を分析して、自社の強みをしっかりと認識し、それを更に高めよう。
自社の弱みを無くすることが大事か、強みをさらに強くすることが大事かは難しい問題ですが、強みに磨きをかけるほうがいいのではないかと思います。強みに磨きをかけるということは、一言でいえば、販売力や技術力、経営者の資質、含み益、といった決算書には現れない項目を再認識して更に強くすることです。強みを更に強くすることで、弱みも無くしていくというのが良いのではないでしょうか。
またそうした自社の強みについては、金融機関にもアピールしなければなりません。