やい社長!!NO2

社長の仕事
 経営理念や経営計画を作成している企業は少ない。計画は社長の頭の中にあるとしても、頭の中にあるだけでは従業員はそれを知ることができないから、社長に経営に協力をする上で戸惑うであろうし、頭の中のものというのは、掴みどころのないものであって、本人自身がよく判ってないことが多い。
 理念や経営計画は先ず、社長が自らのために作らねばならぬものである。
紙ベースに落とし込むことによって、自らの頭の中を整理し、その事柄の関係付けをはかるのである。
次に、それを社員やその企業をとりまく人々の共感を得るため、文面を再度練り直さねばならない。従業員の目で、銀行の目で、その普遍性を検討することが企業目的を達成するために、是非必要なのだ。
たいていの経営者が誤解していることであるが、社員はすべて社長の考えを知っていると思っている。一般的に社員は3日で社長を理解するというが、それは社長の性格を理解するということであって、社長の経営に対する思いや方針は社員にはなかなか伝わらないのだ。
 逆に社長は社員のことは3年たっても理解できない。それは社員は社長の前では本音を明かさないからだ。こうした経営者と社員の思惑の違いは、時代を経ても埋るものではないだろう。
 中小企業の社長は、社員からすると生殺与奪の権を一身に持った恐ろしい存在なのだ。しかし、一般の社長は自らを人情家で優しい人間と理解している。
中小企業において、社長と社員のこの辺りにギャップは、抗いようがないほどに大きい。
自然の理に任せたのでは埋めようがないのである。しかも永年社長をしていると、日常的に権力を行使していることに驚くほど鈍感になる。社員は社員で、その社長の鈍感さに慣れてしまい、考えることを放棄し、ものは言わなくなる。たいていの企業はそうなっている。
大企業では一般社員にまで、社長の支配権が及ぶことはまずない。
 理念や、経営計画は作成したなら、先ず社長が率先垂範してこれを守らねばならない。
これを、社員のみが従属すべきものであるとは、夢考えてはいけないのである。
 理念は社長と社員がその階級や、社長の権威の障壁を乗り越えるために、そして方向を一つにするために、必要なのだ。また社長にも管理の限界がある。組織がそれなりに大きくなると人の管理ができなくなる、目が行き届かなくなるのである。
それは工場において、よーいドンでものを大量に生産するような業種であれば誰か部門の長に管理を任せばよいのであるが、営業とか、管理部門で人を多く抱えるようになると、そうした社員の思いまで誰が管理できるというか。理念や経営計画をしっかり浸透さすことで人心の収攬を計らねばなないのである。
さらには、理念や経営計画は社員同士共通目的、共通の目標となり、それぞれの立場で判断の規準として役割を果たすことになる。
理念を策定し、経営計画を立て、これの浸透をはかるために社長は、社員との話し合いの場を持たねばならない。それは、社員一人一人の場合もあるし、全体でのミーティングという方法をとる場合もある。その話し合いは一回こっきりで、通じると思ってはならない。繰り返し繰り返し、社員が身に染むまでやらなければならない。
経営者は財務・総務も営業も、製造現場も、すべてに通じていなくてはならない。その上で経営者たるもの、日常の仕事をしてはいけないのである。経営者の役割は会社の将来を考えて進むべき方向を見定め、先頭に立って旗を振ることである。
進むべき方向うを定め先頭で旗を振るとき、必ず経営理念の質が問われることになる。