人はどんなときに働くのか

人はどんな時に、そしてどんなタイプの人間がどんな条件の時に指示どおり動くのか、ということについて箇条書きにしたものです。これは私のものではなく、中小企業家同友会全国協議会の元会長赤石義博氏が書かれたもので、タイトルは「人間力経営」となっています。
思うことは、例えば京セらの利益力に魅せられて、アメーバー経営を志向しても多分失敗します。大事なことは人間の情動を深く探り、それを組織の中で、どのように発酵させて、どのような人間関係を結ぶのかということを、考え抜くことです。
企業内に部門を設け、その内部利益をどのようにすべきか、という話は、企業会計ではよく採用されているところであり、アメーバーという単位で利益を計るという技術的な問題は、それほど高くはありません。
しかし、ここに人を巻き込んで命を吹き込んだ、というところが京セラの凄さなのです。
下記10は中小企業にありがちな組織風土ですが、そこでは5に見られるような人間が残ることになります。3のような人間は、一時はよく働き、勤め先に貢献もしますが、やはり会社を裏切るまでに時間はかかりません。
今の時代は大企業であれば1の(1)に見られる人間、小企業であれば4に見られるタイプが応募してきます。
従って、経営者は12に示したような指揮者を志向し、その魅力で以って人を指導していくことが大切なのでしょうね。

1法律や暴力によって強制され、働かなければ懲罰を受ける場合

2本人がその組織に所属することを強く希望している場合

(1)大企業願望に見られるタイプ・・・大企業に所属することが最大の目的なので、その企業の方針や支持命令に無条件で従順に従う。
(2)独立希望者が技術や経営ノウハウを得たいために特定組織に所属する場合。

3自己利害追求突出人間にアメが有効的に利いている場合
甘いと感じた時は指示命令によく従うがアメはすぐにアメでなくなり、甘さに馴れれば甘いとは感じなくなり際限がなくなる。

4マズローの欲求5段階で考えれば、1番下の「生存欲求」段階にいる人間
ハングリーな精神状態にいる人間。生きるためにとかく収入が必要で、収入確保のために指示に従わざるを得ない人間。暮らしの維持という点では、十分な収入ではなくとも、何らかの理由で他の職場を探すことが困難であるときは、その状況が安定的に継続することを強く希求する。

5自己主張も主体者意識もなく、ただ従順であることだけが取り柄である人間
部下としては扱いやすいが、付和雷同しやすく、一旦違う方向に動き出してしまうと、自己主張が無いだけに説得ができない。リーダーには不向き。

6指揮者の人間的魅力に惹かれるものがあり、その人の指示や命令にはとかく従う
草創期のブレーンにはこのタイプが多い。この場合でもトップが世にいわれるようなカリスマ性を持っているとは限らない。つまりトップのどこに魅力があるかといことは大いに研究すべきである。
※人間的魅力ということへの誤解
(1)人間的魅力といってもやさしさや甘さではない。まあまあ主義の妥協的なやさしさは、部下からすれば危惧すべき状態。
(2)指揮者の能力不足に起因する目利きや気配りの甘さも論外。

7常日頃より指揮者の能力と人柄に信頼を寄せており、個別の指示・命令については自ら判断し、その科学性・合理性に納得して周囲を巻き込むようにして動くケース

8働くこと、その仕事を完遂することに、自らの人生の充実感と、その仕事を通じて社会貢献をしていくことに使命感を持っているケース
この場合でも、こうしたケースがトップと無関係に存在することは極めて稀で、その仕事をよりよいものにする事が企業(組織)の発展につながり、究極的には社会に貢献するものであるとの理念を、トップと共有しているのが普通である。トップがそっぽを向いている組織の中で、部下だけが理想に燃え、使命感を「持てる」などといことは有りえない。

9学ぶこと・考えること・創りだすことが根っから好きなケース

10家業に携わっているので、よく働くケース
家業だからよく働くのであるが、部下に動機を与えることなく放置したり、あるいは動機を与えることなど初めから頭にないまま、なぜ社員は働かないのかと愚痴をこぼしたり、人間の本性は怠情説的な考えで、罰則を用いて人を動かそうとする。中小企業にはよくありがち。

11組織に求められる望ましい社員像
指示・命令の目的を深く理解し、指示・命令以上の成果を上げる人間。

12指揮者に求められる望ましい人間像
(1)真の人間愛を持った人。
(2)我欲を抑えたら成長もなくなるという論理で考えない人。排他的競争とは、多数者のなかで我欲を貫こうとすることの具体化であるとし、相対評価を排除して考える人。
(3)心の名誉にこそ本物の誇りを感じる人。
(4)従って、人事考課や勤務評定は行わず、報奨金も出さない人。
(5)個人の功績には、全員の前でその内容を披露し、評価し、感謝し、そして全員の拍手で賞賛するように仕向ける人。
(6)部下の質問には喜んで答える人