不況脱出大作戦~(13)参謀を迎えよう
リーダーは知性と品性と徳を備え、数字にも明るくて、かつ遣り手というのが、望ましいのですが、その全てを期待するのは無理です。人はそれほど完全無欠ではありません。人間の能力に限界がある以上、サポーターが必要です。
困ったリーダーというのは、自らの無謬性と揺ぎない信念に満ち溢れていることが多いものです。しかもリーダーというのは、その社内では一番快適な地位におります。眠っていても、失敗しても社内からは追求されないのです。権力がありますから、意見する人は社内にはいません。
経営者が営業から製造、人事、それに財務まで経営全般に渡って見渡せるなどというのは、ありえないことです。智謀は社外に求めなければならない。そこに気が付かない経営者も多くいるのです。
ある調査記録によると、社長が家と会社の往復をしているだけの会社は云うに及ばず、付き合う先が、その業界団体や取引先ばかりというような企業は経営成績が悪いという結果が出ています。余暇を利用し、あるいは時間を作って、外に出て勉強をし、広く情報を取ってくるような意欲の高い社長のいる会社というのは、成績も良い、ということです。
外から迎えた参謀は、経営者との関係において対等とは言わないまでも部下ではありません。参謀として受け入れるのですから、それなりの一家言を持った知者でなければなりません。また傍目八目という諺もありますように、外部の人間の方が、その会社内外の情勢がよく見える、ということもあります。
内部の変革をしなければいけないような場合には、例えそれが社長の意見であっても参謀の意見として受入、下に伝えることで、内部アナウンスが遣りやすくなるということもあります。現在の経営環境は、いいわけがありませんし、思いきり経営方針を変更する必要がある場合など、なお更のことです。いざというときのブレインは外部にいる、というのが私の持論です。決して会社内部にはいません。もしそのよう人材が会社内部にいて、正しい意見が社内いるのであれば、その会社は危機を迎えていないはずです。
統計資料などを見ていますと、会社が困ったときに、身近な相談相手として一番に相談をするのが、税理士だということです。嬉しい限りです。