テーマ:不況脱出大作戦
今回から暫く、上記のテーマで書いて参ります。なおこれは3月1日から毎週木曜日に日日新聞に連載されます。
(1)不況の犯人は誰か
今は不況だと言われています。景気のピークは平成元年頃でした。消費税が導入され、当初3%だったものが平成9年には5%になりました。その間、平成の鬼平と言われた三重野康日銀総裁は、強引にバブル経済を崩壊させ、日本経済に大きな打撃を与えたのです。
またリーマンショックがあり、東日本大震災が続き、円高による製造業の海外移転など紆余曲折を経て、益々閉塞感が強まっている、というところでしょうか。ところでこの不況は誰が演出したのでしょうか。
直接的な犯人は誰かということになると、もう分かりません。お金をヘリコブターで撒き散らさない日銀が悪いという説。政府の無策をなじるもの。日本を捨てて海外での生産に手を染めた大手企業犯人説。人口減少に原因があるとするもの、実に雑多です。
では経営者であるあなたに責任は無かったのでしょうか。確かに今は不況ですが、その原因を外に求めても解決はしません。企業も生き物であり、生者必滅は世の習いです。
コダックは倒産しました。富士フイルム生き残っていて尚かつ元気です。この違いは何なのでしょうか。強いものが生き残るのではなく、環境に適したものが生き残る、というのはダーウィンの法則です。では環境に適するというのは、どういうことでしょうか。生き残る、ということは生命をつなぐということです。
子々孫々と絶えず発展するということではありません。生存競争は厳しいのですから、発展し続けるに越したことはありませんが、縮小を余儀なくされつつも、兎に角、企業のDNAを残すということです。
日本には100年企業が相当程度あります。有名なGS湯浅バッテリーもその一社です。創業当初は炭屋さんを営んでいたそうですが、今はバッテリーでは世界に冠たる地位を占めています、この社のキィーワードは燃料です。「環境に適することが、生き残ることである」と云われれば成る程と思います。ところがその具体策には想像が及びません。