内部統制19.8.18(土)

日本版SOX(J-SOX)法による内部統制が208年4月からの上場企業のすべてに義務付けられました。未上場の中小企業には関係がないと思われがちですが、そうではありません。これは先に紹介しました「ソニーサプライヤーの行動規範」と全く軌を一にするテーマと捉えるべきです。
中小企業であっても内部統制をしっかりすることで、社会の信頼性が高まります。週間ダイヤモンド2007年新春号によると、内部統制には次の4つの目的があると紹介されています。

1業務の有効性・効率性
事業の目的を達成するため、業務が効果的・効率的に行われていること
2財務報告書の信頼性
財務諸表などに偽りや誤りがないように信頼性を高める
3法令遵守
法令や会議規準、行動規範などを守るよう促進する
4資産の保全
会社の有形・無形資産を正しい手続きに則って扱い、保全を図る

ちなみに上記4項目のうち、1,2及び4の項目は財務報告書に収斂されてくるテーマでもあります。従って私の業務にも深く関連してまいります。
またこれに関連して新日本監査法人から出ている「情報センサー8月号」に弁護士鳥飼
重和氏が企業理念との関連で興味深い文書を載せていらっしゃるので、次にその骨子を紹介させて頂きます。
 内部統制の本質的意義は経営者による経営管理のことであり、経営管理は会社の恒久的成長・企業価値創造を目指すものである。内部統制を「統制」という「規律」や「成約」といったマイナスイメージの中に埋没させてはいけない。
 米国のSOX法は失敗事例と考えられているが、それは法律の規律という側面が強く出すぎて、非効率な統制を行ったためである。
 内部統制体制には2つの側面があり、1つは自立的内部統制体制(企業理念)もう1つは通常考えるところの他律的内部統制体制(資本市場における企業価値)と捉えた上で、会社に不祥事が多発するのは、会社の根本的なところに問題があると思われ、企業理念に内部統制の積極的意味を見出していらっしゃる。
 その自立的内部的統制の実例としてジョンソン・エンド・ジョンソンの「我が信条」という企業理念を挙げて、紹介をされています
 我々の第一の責任は・・・・・・・・・・・・顧客
 我々の第二の責任は・・・・・・・・・・・・従業員
我々の第三の責任は・・・・・・・・・・・・地域社会
我々の第四の、そして最後の責任は・・・・・株主

 税理士という仕事に携わっていて思うことですが、企業が倒産する大きな理由がこの内部統制の貧困に由来するものであるとほぼ確信を持っていえます。
 もう一度、「ソニーサプライヤーの行動規範」をお読み下さい。この行動規範は上記の内部統制4つの目的にすべて合致して参ります。