財界の靖国問題
首相が靖国に参拝するのは当然のことであるが、それが気に食わない国がある。
経済同友会の北城恪太郎代表理事と富士ゼロックス会長の小林陽太郎氏(新日中友好二十一世紀委員会座長)が、小泉首相の靖国参拝に関して日中友好を損なうからやめてもらいたいとの発言が、少し前マスコミを賑わしたことがある。
日本の財界には国益の視点がないのかと苦々しく思っていたら、諸君2月号に山本卓眞富士名誉会長が、中国市場での目先の利益に目が眩み、小泉首相に靖国参拝中止を要求するとは言語道断との厳しい意見を載せられた。
Voice2月号においては、産経新聞ワシントン駐在編集特別委員の古森義久氏も同じく批判的な意見を載せられている。
なお北城氏は日本IBMの現職会長でもあるが、その発言をした同じ時期にIBMがパソコン部門を中国企業の聯想集団に売却する商談をしていたらしい。
富士ゼロックスも、中国での生産を大幅に拡大する最中だという。
おそらくこの二氏は、自らの利益のみを考え中国の要請を入れた上で発言したのであろう。
日本の企業でも、国民でも国家がきちんとしていてこそ生きていける。
日本の企業と国民は国家を損なわないようにする義務がある。
それは世界における紛争地域の産業、その地域の人々いかに惨めな状況にあるかを見れば分かることだ。そのようなところは民意を反映した国家が存立していないのである。私よりも公の優先が結局は私を救う。
世界は一つ、国境はいらない、などは戯言もいいとこである。