不況脱出大作戦 (2)不況が経営力を試している
戦後の経済は、少なくとも昭和が終わるころまでは、花見経済のようなものでした。企業規模の大小を問わず誰が経営をしても、余程のことがない限り上手くいったものす。
今は、正しく経営力が試される時代になっています。私のクライアントも製造業が多いのですが、経営が悪化する要因として、外的影響によることも事実です。しかし、悪化の要因を外的原因に求めてしまうと、悪いのは自分ではないということになってしまいます。
これでは経営の創意工夫が生まれません。不況下で売上を落としながらも、従業員の雇用を護り、立派に経営をしている会社も多数存在します。大事なことは、不況を社会や他人のせいにしないで、全て自己の責任と、捉えることでしか、経営の創意工夫は生まれないということです。
では経営力とは何か、ということですが、先ず自らの会社の経営状態を深く観察しなければなりません。今、経営が上手くいっていない会社の特徴として、挙げられのが、経営者と従業員の関係が思わしくなく、それが縁になって従業員同士の関係もおかしくなり、仕事の流れに支障が生じているということです。
それはなぜか、ということを探ると経営者の無知、勉強の不足に行き当たります。大方の経営者は会社経営を、権力の行使することで十分だと考えています。しかも権力の行使をしているということにさえ、気が付いていません。
無意識のうちに、叱り、命令し、人を顎で使うことが経営だと思っているのです。中小企業というのは、経営者を変えようがありませんし、その後継者も最初から決まっています。
また中小企業の従業員は、上には行きようがないことは、最初からよく承知していすから、使われて給料を貰うことしか考えていませんので、経営幹部など生まれる余地がありません。状況がこうですから労使双方に、経営と真剣に向き合うという風土は生まれないのです。しかし風儀は風上より興るのです。